フレンキー・デ・ヨング:約束された未来

フレンキー・デ・ヨング:約束された未来

バルサの雑誌で元サッカー選手のアレックス・デルマがバルサの新戦力であるオランダ人選手を分析した

 

フレンキー・デ・ヨングは一瞬で見る者を魅了して止まない選手だ。そのサッカースタイルは喜びに溢れている。もしかするとだから見ているだけで惹きつけるのかもしれない。単にチームを代表しているというだけではなく、プレー自体を楽しんでいるのだから。 

コンセプトとポジションの多様性:まず際立つのはサッカーで最も基本であり最も大事なコンセプトを持っているということ。各ボールタッチに意思があり、足でボールを受け取るたび、チームメイトへパスを送るたびにボールの受け取りを容易にしている。なぜならデ・ヨングは複数のポジションでプレーでき、適応能力の非常に高い選手だから。

バルサという言語で語る場合、デ・ヨングは4番、6番、8番、あるいは10番のポジションを務めることができる。本来の理想的なポジションではないとはいえ、プレーの起点としてセンターバックの位置につくことさえ可能。今季先発として出場した25試合のうち、アヤックスのテン・ハフ監督は20試合で4−3−3での中盤の攻撃的な位置で、3試合でボランチとして、さらに2試合をセンターバックとして起用した。またオランダ代表のロナルド・クーマン監督はドイツ戦とフランス戦でダブルボランチの左側に配置している。実際にその壮大な展開力から4つのポジションを務めている。つまりデ・ヨングは1列目または2列目の選手として活躍できるということ。最適な場所を見つけるということはとても難しい。

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走りながらのボール扱い

彼を定義するうえでボール扱いは重要な一面。実戦でのそれは素晴らしい。若いながらも現役の中で最も優れた選手の一人だ。縦に向かう時の最初の数メートルは誰にも追いつかないほどのもの。両足を巧みに使い、ボールをブロックするやり方は並外れている。敵とボールとの間に自身の体を置き、相手のボール奪取を防ぐ。その技術的特徴はよりカバーされていない場所へ向かい、そこでプレーを進めて行く。その配合がどのポジションであれ彼をエキスパートにし得ている。敵のラインを突破し、ボールとともに相手との優位性を作り出す能力が非常に高い選手である。

体の使い方

自身の体を利用するのが非常に上手い。プレー中に背を向けず、輝かしいほどのコントロールをする。全くもって常に彼のピッチでの視野はフィジカル面で可能な限り最大。ボールコントロールをするためのポジション能力調整能力は、チームメイト、あるいは敵の位置についても対応しており、同様に機能している。しかし状況として十分な視野を得ることが不可能な時、彼はバルサにとって非常に特徴的な方策、パスを受ける前に周囲を見渡すということをやっている。簡単にやっているようでもトップレベルでのスピードではとても難しいこと。また利点、展望を与え意思決定を解明する概念も持っている。

パスの精度

あらゆるパスの類型を見つけるのは簡単なことではないが、フランキー・デ・ヨンクはそれをやっている。インステップ、アウトサイド、インサイド、インフロントと足のあらゆる場所を利用。さらにその高い信用度(成功率91,8%)はバルサのミッドフィールダーと同等のものとなっている。セルヒオ・ブスケッツは約90%、ラキティッチは92%、アルトゥールは94%を誇っている。

ロングパスとショートパスを織り交ぜる。ロングパスは3,5%(1試合平均2,7)。彼のプレー基準は過度に平均的ということではなく、リスクを犯さないものとなっている。

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パスカットと相手への脅威

本質的に2つの手段がある。それはパスカットからのボールセーブと、相手への仕掛け。プレーに自信があり、本来理想的ではない状態でもパスを受けるのをいとわない。何度も相手マークがありながらもボールを受け、相手の優位性からその状況を打開する。これはビルドアップの場面やプレー展開を進めて行く場面で起こっている。

プレーの継続性と敵のボール所持

最も特徴的なものはプレーの継続性。試合のあらゆる場面で集中力を切らさず、あらゆる状況やポジションでプレー関与の姿勢を見せる。1試合平均82,4本のパスというのはヨーロッパ9番目で、トニ・クロース、マルコ・ヴェッラッティに次いでチャンピオンズリーグで3番目のミッドフィールダー。またオランダリーグでは平均78,4本のパスでトップの成績を残している。大差のリードでもその反対でも気を抜くことがない。一例としてリーグ前半のフェイエノールト戦では162回のボールタッチを記録している。また後半戦の同カードでは完敗したものの両チーム通じて最多のボール関与を見せた。

相手チームにボールが渡り試合展開が進む時にも彼の特徴が出る。相手が攻撃にかかることで彼とチームメイトとの距離が大きくなるため、前線のチームメイトを突破口とする利点が大きくなる。 

今後の成長

21歳という若さから多くの成長が期待される。バルサのスタイルというのはアヤックスのそれよりも辛抱強さが求められる。同じようにチームメイトのスペースを使わない、または意思決定をより良いものにするため、特にボール展開する時に自身の範囲をわずかに小さくする必要がある。方策として利用すると違いを示すことになるが、永続的にやって行くことでその影響を最小限に抑えることができる。

いずれにしろフレンキー・デ・ヨングは気持ちの高まりをもたらす存在。すでに凄い選手であり、今後巨大な存在になることができる。サッカーの世界では予期しないことがあるものだが、彼に見られるのは巨大なもの。疑いのないのは今後彼の名前が刻まれた将来が待っているということだ。

Força Barça
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