クライファート「トップチームに自前の若手選手を加えるのは不可欠なこと」

クライファート「トップチームに自前の若手選手を加えるのは不可欠なこと」

アヤックスで選手の基礎を作りアスルグラナ選手としての経験がある元選手は、インタビューでプレースタイルとラ・マシアの哲学について語った

アヤックスのカンテラで育ち1998年から2004年にかけてアスルグラナでプレー、308試合に出場し145点を挙げたパトリック・クライファート(1976年7月1日、アムステルダム生まれ)43歳は監督、スポーツディレクターとしての経験を経てFCバルセロナへ戻って来た。バルサメディアとのインタビューで育成部門の新デイレクターとして自身最初の数ヶ月について語っている。

FCバルセロナでのここまで数ヶ月をどう評価している?

「とても良いもの。すでに機能しているところに入る時、重要なのはそこで働く人たち、働き方を知ること。私は各部署でそれをして来た。まずどのように動いているのか話を聞き、そのあと働いていくことになる」

バルサを選んだのはなぜ?

「とても簡単なこと。クラブを知っているから。私は選手として6年をここで過ごし、クラブ、ファンとのフィーリングがすごくある。そのうえ私の息子がここでプレーしている。ラ・マシアに多くのものをもたらすことができるという感覚があり、クラブからのオファーに答えるのに多くの時間を必要としなかった」

ラ・マシアに似たアヤックスのスクール出身でバルサでもプレーした選手にとって何をもたらすことができると思う?

「アヤックスから来てバルサにもいたということは、そのプレースタイルにとても適応したということ。アヤックスのユースにもいたからそういった年齢に到達した選手たちの考えることも分かる。ただもっと若い子達のことも同様。だから選手たちが自分の家にいるように感じるのは大事で、確かな考えを持ち最大限に活躍して欲しいと願っている。同時に栄養面、すべてのチームが連絡を取り合うことも重要。その点はすでにやっていることで、さらに強化していく」

選手にとって栄養面はどれほど重要?

「とても大事な。みんなしっかり食べていて、栄養学の部署はとても良い。もしかするといくつかの変更があるかもしれないが、食事はしっかりしている。クラブが選手たちに高い要求をしているからこの点はとても大事。栄養面で悪い状態だと最大限の活躍はできない。だから不可欠な面だと言える」

私はクラブを知っている。ここで6年を過ごし、クラブ、ファンとの間にフィーリングがすごくある

パトリック・クライファート

カンテラから出て来た選手としてアンス・ファティとカルレス・ペレスがいる。彼らのような選手たちが出て来るのはクラブにとって重要?

「彼らのような選手たちが出て来るのはとても大事なこと。アンス・ファティやカルレス・ペレスのように選手がそのレベルの高さを示せば、トップチームで出場時間を得て、その価値を示すことができる」

アンス・ファティのようにユースチームからバルサBをほぼ飛び越えてトップチームへ行く選手が地に足をつけていくために何がが必要?

「こういったケースでは注意が必要。幸運にもアンスは明確な考えを持ち、地に足をつけている。彼と何度も話をしたが、自分の状況をとてもよく理解している。我々の仕事は選手たちが道を踏み外すことなく、自分たちの役割を分かるようにすること。でもアンスは自分のしたいことが何か分かっていて、トップチームでより多くの試合に出るため適応するだろう」

ラ・マシアの選手たちがバルサに残るよう、高いお金を払う多クラブへ行かないように納得させられる?

「バルサの育成は世界最高。ここにいる選手たちはFCバルセロナのトップチームでプレーするという夢を持っている。我々の仕事は彼らの年齢ではお金が全てではなくその後の成長が大事で、そしてこれまでの経緯を知ることを説明している。そこから先、彼らに十分なレベルの高さがあればしっかり努力、練習をしトップチームへ上がるチャンスがある。そういう可能性があることを我々は彼らに示さなければならない。一旦その価値が示されればお金というのはその後付いて来るもの」。

すべてのチームが同じプレー哲学を守っていることの重要性とは?

「それは根幹となるもの。選手たちが段階を経てチームを変わっていくときに同じプレー哲学を続けていくのは大事。成長し自分たちの得意な面を伸ばし、才能を確かなものにするのは確かだが、それは同じプレーのやり方で育まれて行く。クライフの哲学、クラブの価値観に敬意が払われているべき。我々はそういったすべてを守るためにいる。ここには世界有数のサッカースクールがあり、監督や選手全員が同じ方向を向いて進んで行かなければならない」。

ラ・マシアからはその長い歴史の中でバルデス、プジョル、セルヒオ、ピケ、メッシ、チャビ、イニエスタと重要な選手たちが出て来た。最近数年のように多くの選手が出て来るために何をしなければならない?

「選手のレベルは毎年同じではないというのは確か。ラ・マシアには非常に高いレベルがあるが一度に才能ある選手が出て来るということはない。何人かは一旦外部で過ごしその後戻って来るというようなケースもある。我々の目標は最高の選手を抱え、出来るだけ多くの選手たちがトップチームにたどり着くようにすること。自前の若手選手をトップチームへ送り込むのは不可欠なこと。私も下部組織の責任者たちも原石となる選手たちを探し、彼らにふさわしい形で取り組んで行くべき。勝利を手にするためのチャンスを全員に与えるべき」。

トップチームにたどり着く可能性がなくてもクラブに残るのがベスト?それともスタイルが似ているチームへレンタル移籍させることが成長の手助けになる?

「それぞれの場合で状況が違う。ただトップチームの枠が埋まっていてバルサBで3年プレーしている選手の場合、似通ったプレー哲学のチームへレンタル移籍して成長を促し、長所を伸ばすことがベストということになるかもしれない。選手はクラブを去る可能性に対して前向きでいなければならず、他のクラブで成長できるという感触を持つべき。我々が決してやることがないのは、トップチームが埋まっているからといって選手を追い出すということ。ときに怪我などがあり下部組織の選手がチャンスを得ることがある。またプレシーズンにバルサBがトップチームとともに活動することがあり、自分たちの存在価値を示す好機になる」。

今年の夏、クラブはアヤックスにいたオランダ屈指の若手選手、デ・ヨングを獲得した。バルサの哲学に合致する外部のタレントに注目することは同じく重要なこと?

「アヤックスはバルサのと同じプレースタイルで、そういった才能には注目している。彼にとって適応するのは難しいことではなかった。ただあそこでやるのと、カンプ・ノウで10万人を前にプレーするのは同じではない。彼は今素晴らしい活躍をしているがそれは自分のポジションでプレーしているから。彼には多くの才能があり、最高の選手たちに混じっている。まるで一生を通じてバルサでやっているようだ」。

ミニエスタディは過去のものとなり現在はヨハン・クライフ・スタジアムがある。新たな下部組織のホームをどう評価する?

「ヨハン・クライフ・スタジアムはとても素敵なもの。ユースチームはバルサB、女子チームを含めラ・マシアとともにこういったスタジアムを抱えるのはとても大事なこと。選手たちは慣れ始め、さらに下の年代の選手たちが試合をみ見に行くことができ、スタジアムでどうプレーをするかという最初の感触を確かめ、ここでプレーすることを夢見て、その後カンプ・ノウでプレーするというのは大事なこと」

若い選手たちへアドバイスを与えるとすれば?

「若い選手たちがバルサにいることで全てを達成したと思わないことは基本。しっかり練習し、自分の夢を追いかけ、戦い、監督たちから学ぶというのはとても大事。才能はとても大事だがそれが全てではなく、日々練習し最大限のものを求めなければならない。全てがうまく行けばトップチームでプレーするチャンスがやって来る。それが我々の仕事」。

Força Barça
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